時を刻んで(長田副会長)

    

 

 

       愛媛県経営者協会副会長 長田 伸一郎

       

       (住友化学㈱ 執行役員 愛媛工場長)

 

 

 

 昨年2020年は新型コロナ感染症で世の中が一変した年であったと思います。
 東京五輪、パラリンピックは延期となりました。当社工場のある新居浜では秋の太鼓祭りが中止となり、非常に寂しい年でもありました。 
 またワクチンの供給が開始された一方で、コロナウィルスが新種に変異するなど、収束は簡単でなく、ウィズコロナの時代はもう数年続くのでは、と思います。
 
 一方、コロナ禍でも当たり前のように時は流れ、色々な変化や新しいチャレンジがありました。昨年も日本では約85万人の新生児が生まれました。人々は距離を保ちながらも新しいコミュニケーションの手段を見つけました。また新しいことを始めた人も大変多いと聞きます。
 私も出張や会食が減った関係で、生活の時間の中で、人生で初めて料理にとりくみました。スーパーで食材や調味料を探すなど、日々新しい発見の連続でしたが、やれば変われるんだな、と少なからず成長を感じるような年となりました。
 
 昨年はもう一つ大きな変化がありました。菅内閣が2050年に温室効果ガス排出実質ゼロの方針を発表しました。脱炭素に向けて、企業においても徹底した対応を進めることになります。当社でもこれまで進めてきた省エネに加え、CO2排出削減の技術検討や工場の設備改造などを加速させていますが、更なる技術革新が必要と考えています。
 
 2050年、かなり先のような時間軸ですが、経営者は今から時間を正確に刻み、今年何をするかを決め、変えるための行動が必要だと思います。
 今、生まれてくる子供たちの多くは2100年にも生活している可能性が高く、今働く私たちはこの子供たちの未来を快適にする役割を担っています。
 2021年はウィズコロナと新常態でも歩みを止めず、持続可能な社会へ着実に舵を切る大切な年にしなければと気持ちを高めています。