連綿不断(松下副会長)

 

 

 

愛媛県経営者協会副会長 松下 博彦
(住友金属鉱山㈱ 執行役員別子事業所長)

 

 この度、愛媛県経営者協会の副会長を拝命いたしました、住友金属鉱山㈱別子事業所長を務めております松下と申します。会員の皆様には日頃大変お世話になっております。
 さて、私どもの当地愛媛県における事業は、元禄3年(1690年)に現在の新居浜市の山中で発見された別子銅山に遡ります。幕府の許可を得て翌年より銅鉱石の採掘・製錬を始め、以来334年にわたり当地で事業を続けてまいりました。初代の別子銅山支配人から数えて私が82代目となります。別子銅山中興の祖として知られる広瀬宰平は32代、新居浜から四阪島への製錬所移転や別子銅山の緑化を進めた伊庭貞剛は37代、別子銅山閉山後の新居浜後栄策を進めた鷲尾勘解治は46代となります。先輩方はそれぞれ難しい局面に遭遇しながらも、事業と国家ならびに地域社会の将来を真摯に考え、地に足の着いた解決策を提示してまいりました。
 現在も人口減少をはじめとしてかつてない課題に直面しています。弊社も例外でなく、昭和の時代に大量採用した世代が次々退職していくなかで、新人を必要数採用すること、そして一人前の人材として育てていくことがいかに難しいことか痛感してまいりました。先人であればこの局面をどう捌いたかとふと考えます。かく言う私も2年間の勤務を経てこの度東京に異動することになりました。本協会の副会長としての職責を果たすことができずお詫びの言葉もございません。第83代所長に内定しております西原 覚 においては本協会発展のため取り組む決意でございますので、変わらぬご厚情を賜りますよう伏してお願い申し上げます。